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バイオマーカー・トピックス(No9.2008年4月22日)

目次

FDA、バイオマーカーによる薬物安全試験のスタートを準備中. 1

健康機能食品とバイオマーカー(ORAC, AOUを含む) 3

近畿大学医学部ゲノム生物学教室. 3

 

(2008年4月17日)

FDA、バイオマーカーによる薬物安全試験のスタートを準備中

 The SanFrancisco Chronicleは、FDAが新薬開発試験での前臨床段階期における安全性試験の期間や費用を大幅に縮小できる新しい実施基準の準備が終わった、と報じた。

 この新らしいスタンダードは7種類のバイオマーカーを用いるもので、これらのバイオマーカーは腎障害でのシグナルを示すものである。FDAは、これら一連ののバイオマーカーが心疾患や肝臓障害およびがん治療における有害事象などにも応用できる、としている。

 現在、FDAは新薬や医療用デバイスを承認する役目を負っているが、安全性に関する試験に関して斬新でかつ従来より優れた方法はまだ持っていないと、非営利団体のクリニカル・パス研究所(Critical Path Institute)の社長兼CEOを務め、以前FDAに協力して安全性の迅速な試験方法の開発に取り組んだことのあるレイモンド・ウッズレイ(Raymond Woosley)が述べている。

 しかしながら今日、FDAは動物実験による安全性試験を追加しようとする場合、このバイオマーカー試験だけが受容されることになるだろう、といっている。

- read the article in the San Francisco Chronicle

 

 製薬産業が目指しているゴールは、心不全、肝臓障害あるいは癌等の危険な副作用のシグナルを示してくれるマーカー・テスト手法を手に入れることです。

 血液、尿あるいは唾液などのサンプルは、臨床試験の参加者から得ることができる。

 バイオマーカーが患者のリスクを示すことができるようになれば、リスクが発生する前に試験を中止することができるようになる。

 これまで17社が、クリティカル・パス研究所でバイオマーカーに関する研究に参加してきた。このなかにはブリストル・マイヤーズ・スクイーブ、グラクソスミスクライン、ジョンソン・アンド・ジョンソン、メルク、ファイザー等の大手企業も入っている。

 これらの製薬企業は専門的知識などを提供するが、資金の提供は行っていない。

 最初の7つのバイオマーカー試験プロセスは、前臨床の動物実験と現在の臨床試験の補足としての試験にのみ使用することがFDAによって許可されている。

 FDAの臨床薬理学オフィスのゲノミックグループ上級研究員であるフェデリコ・グッセイド(Federico Goodsaid)は「この許可されたプロセスは、新薬開発の過程において、製薬企業がこれらのバイオマーカーの適用を正確に行うことを可能にするだろう。それらは、現在までに行われてきたいろいろな方法に今すぐ取って代わるものではない。しかし、ゴールまでには、われわれはさらに多くの情報を手に入れることが可能であり、最終的にこの方法が臨床試験に適用できるようになるだろう」と述べている。

 グッセイドは、FDAのバイオマーカー適応パイロットプロセスの開発責任者である。このパイロットプロセスは腎臓障害検査に適応可能性のある23の潜在的なバイオマーカーがFDAに提出された約1年前に開始された。

 クリティカル・パス研究所の評価プロセスは、7つの最も効率的なバイオマーカーを選択してきた。

 クリティカル・パス研究所は、治験薬が前臨床段階から使用されるような場合において、リスクが懸念され、試験を中止すべきか続けるべきか製薬企業を悩ませることが多い最近の傾向に歯止めをかけるために、2年前にFDAがアリゾナ大学およびメンローパークのSRIインターナショナルなどと共同で設立した非営利の研究機関である。

 これまでの十年間において、FDAに承認を得るために提出された新薬の数は50パーセントも落ち込んできている。その一方で新薬開発コストはうなぎのぼりに増加してきた。その間に、鎮痛剤Vioxxが心臓発作や脳卒中を引き起こすリスクが判明し、企業などはこれらに類する薬剤に脅えているし、今後、この傾向がさらに強まることを懸念している。

 クリティカルパス研究所は、FDAが共同創立者であるということにおいてユニークであるうえ、現在、ヨーロッパ医薬品局(FDAと似た組織)もアドバイザーとして参加している。それによって、ヨーロッパ医薬品局もFDAと同時に、この7つのバイオマーカー試験に認可を与えるものと予想される。

 こうした共同作業は初めてである。非営利の公益組織であるパブリック・シチズン(Public Citizen)の健康研究グループの責任者であるシドニー・ウルフは、それらが適切に承認されるのであれば、バイオマーカーの使用を支援すると言っている。

 しかし、一方で彼は、FDAの現在の薬物の安全性試験に対する姿勢を非難している。彼は「現在要求されている動物試験での毒性の発見は、製薬企業やFDAはまだ十分真剣に受けとめられていない」と述べている。

 彼は、動物実験中に毒性が見つかった最近の2つの新薬の例を引用している。

 それは糖尿病用薬であるAvandia(グラクソスミスクライン)、Vytorin(シェーリング・プラウ、メルク)で、いずれもコレステロール値を低下させるための治療薬である。「Avandiaは動物研究で心臓にダメージを与えることを示す証拠を出された。また、Vytorinは、この配合剤の服用量が低容量であったにもかかわらず、実験動物中で重大な毒性を示した」とウルフは述べている。

 FDAによる腎障害検査のための7つのバイオマーカーの承認の公表は、いつでも期待されている。グッセイドは「このプロセスは現在、高度に進んだ段階にある。われわれは、このニュースがまもなく発表されると思っている」と述べている。

<バイオマーカーは何ですか>

・バイオマーカーとは生物の機能をテストするために使用することができる指標である。

・臓器が障害され、被害を受けた組織の細胞が血液、尿あるいは唾液中に特定の物質をリリースする場合、いくつかのバイオマーカーが出現する。

・これらのバイオマーカーは危険な副作用等を検知するために使用することができる。

 

健康機能食品とバイオマーカー(ORAC, AOUを含む)

大澤俊彦(名古屋大学大学院生命農学研究科食品機能化学研究室)

『アンチ・エイジング医学』 2008年2月号 「特集 健康機能食品を科学する」P37-43、メディカルレビュー社発行

<概要>

「健康食品」とは?

 1984年に世界に先駆けてスタートした「食品の機能性」に関する研究プロジェクトは, 全く新しいコンセプトのプロジェクトであり, その特徴は, 「栄養機能」である一次機能, 「感覚機能」の二次機能に加えて, 食品研究の場に三次機能として「生理生体調節機能」という新しい概念が取り入れられた点である。

・その結果, 神経系, 循環系, 内分泌, 外分泌系, 細胞分化調節, 生体防御, 免疫および消化系調節機能というように広い範囲での生体に対する作用が対象となり, 多くの興味ある知見を得ることに成功した。

・この「機能性食品」の概念は, 食品から機能性成分を取り出して他の食品や飲料に添加せず, あくまで食品の形態を保ちつつ有効成分が濃縮されて機能を果たすように創製しようというものである。

・この流れは世界的なレベルで広がり, 特に欧米ではneutraceuticalsとかmedical foods, designer foodsなどの概念が提案されたが, 現在は「ファンクショナルフーズ(functional foods)」として定着しつつある。

 

<研究室紹介>

近畿大学医学部ゲノム生物学教室

ゲノム生物学教室は、平成18年5月に新設された教室です。私たちは、がんセンター研究所薬効試験部・中央病院計画病棟支援施設からやってまいりました。若いスタッフ一同、基礎研究ならびに教育の推進に積極的に取り組んでいます。

研究内容は分子生物学、腫瘍生物学を中心に病態の摩訶不思議を解明し、臨床的な診断、治療に対する礎になることを目指して日夜研究しております。基礎研究が中心になりますが、より臨床に近い研究も多数実施しています。

研究内容

●網羅的遺伝子発現解析、CGH、プロテオミクスなどオミックスアプローチによるバイオマーカー探 索

●チロシンキナーゼ受容体のシグナル伝達機構 特に蛋白質複合体とその機能

●腫瘍特異的新規バイオマーカーならびに新規癌遺伝子の生物学的機能解析、診断・治療への展開

●血管内皮幹細胞の機能解析と臨床的意義付けの検討

研究メンバー

教授

西尾和人

講師

荒尾徳三

助教

藤田至彦  デベラスコマルコ

研究員

阿部譲  Rajashree Das

大学院生

 

 

 

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