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分子診断における蛋白質チップ技術の役割(その1)

蛋白質バイオチップは、臨床診断に多様な可能性とメリットを提供する。 この記事は非常に長いので、何回かに分けて掲載いたします。

技術革新によって小型化された臨床試験手法によって、遺伝子産物の分析が可能になりつつある。しかし、蛋白質の非常にデリケートな性質のために蛋白質分析用デバイスの開発は遅れていた。それが、最近になってようやく蛋白質エンジニアリングや生物物理学の進歩を利用して、蛋白質マイクロアレイが開発され、実用化されるようになってきた。

開発されつつある蛋白質チップの基礎構造は、DNAチップと同じようにガラスあるいはプラスチック表面を利用している。これらに使用される分子は、蛋白質を捕らえることためのDNAまたは抗体である。この新しい化学的表面の活用により、表面上の各スポットに同定された大量の蛋白質を固定でき、タンパク質の活性を保持することを可能にする。各スポットにある蛋白質などを同定するには、蛍光マーカーやその他の方法を用いるが、これらの蛋白質マイクロアレイはプロテオミクスあるいは創薬などを高速化できる強力な分析ツールとなるものである。

現在、蛋白質チップの技術開発での焦眉の課題は、創薬あるいは分子診断への応用に向けた有用な情報を得るための分子パスウエイを理解することである。この記事は、疾病マーカーや診断方法の発見に向けた蛋白質バイオチップの役割に注目している。

 

1.蛋白質バイオチップの種類とメーカー

マイクロアレイでは、互換性や値段の安さからスライドガラスが標準となっており、広く使用されている。しかし、それらは反応の多様性(再現性がよくない)や高い蒸発率、コンタミネーションを起こしやすいことなどから使用上制約がある点が問題とされる。

マトリックススライドは、蒸発率を低く抑えられる点やコンタミネーションの可能性が少ないなどの利点を有するが、一方で高価である。

プロテオミクスに用いられるナノチップは、同様のメリットを有し、さらにコストを抑えられる点や複合的な要素の反応に使える点もメリットである。いくつかのメーカーでは、表面のコーティング技術を開発して標的との結合性を改善したり、装置とのプラットフォーム化に取り組んでいる。例えば、パーキンエルマー社は、蛋白質マイクロアレイ用の統合システムを導入している。(図1を参照)

 

 

 

 

図1 表面の様子―SELDI(surface-enhanced laser desorption and ionization)プロセスの実例とProteinChipの配列。

 

 

 

 

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